ペットのケア

ノミ・ダニ予防

ノミ・ダニ予防

気温が上がってくると、ノミやダニといった寄生虫の活動が活発になってきます。昨今は室内で一緒に生活したり、マンション等のペット可の集合住宅も増加し、以前より犬や猫と人との距離が近くなっています。
ノミやダニは、犬や猫に貧血やかゆみを引き起こすだけでなく、人間も襲います。うちの子は室内から出さないからといって、安心はできません。まれに、人間が外から持ち帰ってしまう事もあるのです。
小さなお子さんや、他の子にノミ、ダニをうつさないためにも、飼主様のマナーとして毎月1回ノミ、ダニ予防を実施しましょう。

ノミの生活環境

ノミは昆虫の一種で、主にネコノミとイヌノミがいます。ただ、日本では全体の70%程をネコノミが占め、犬にも人にも寄生します。
ノミは、卵→幼虫→さなぎ→成虫というライフサイクルを繰り返しています。梅雨から夏のピークシーズンでは12~14日、春や秋では3~4週間程、そして冬では半年程かけてこのライフサイクルが循環しています。
実際に吸血するのは成虫のみですが、一度犬や猫にノミが寄生すると、その24~48時間後から体の上で産卵をはじめます。卵は12時間程体に留まった後落下し、ペットの寝床やカーペット、畳などでふ化します。
幼虫は成虫の排泄物や有機成分を餌とし、成長してさなぎとなります。そして、成虫となり、再びペットに寄生し、産卵し、これが何度も繰り返されるのです。
ノミが活動できるのは、気温が13℃以上の環境です。室内では年中この環境が整っていますから、一年中ノミは活動期として増殖するのです。
また外飼いの子も、冬だからといって安心はできません。幼虫以外のノミは越冬が可能だからです。
私たちの眼につくのは成虫だけですが、成虫は全体の5%しかおらず、残りの95%はその周囲に存在する未成熟期のノミの予備軍なのです。ですから、一度ノミが室内に侵入すると駆除が非常に大変です。カーペットや畳等、駆除剤では対応しきれない所に潜んでいるので、定期的にしっかりとした掃除を行う事も重要になってきます。そして、二度と寄生されない様に毎月きちんとノミやダニの予防をしてあげる事が必要不可欠です。寄生できなければ、長い年月はかかりますが、環境からノミを追い出す事も可能です。
しかし、それは非常に大変な事ですので、寄生される前に予防するのが最良の手段です。

ノミがもたらす被害

1.ノミアレルギー性皮膚炎
大変かゆみの強い皮膚病です。吸血により、その唾液成分が体内に入る事でアレルギー反応が起こり、激しいかゆみや湿疹、脱毛などを伴う皮膚炎を示す様になります。一度アレルギーを起こした子は、その後僅かなノミ寄生にも反応してしまう様になります。

2.瓜実条虫(サナダムシ)
ノミの幼虫が条虫の卵を食べ、その体内で発育します。成虫になったノミをグルーミングなどで飲み込んでしまい、小腸に寄生、増殖します。この虫は最大50cm程まで成長し、白い米粒の様な片節が便や肛門周囲に付着します。

3.猫ひっかき病
バルトネラ ヘンセレという菌によって起こる感染症で、ノミを介して猫から猫へ移ります。猫には症状が出ませんが、感染した猫に人が噛まれたりひっかかれたりすると、リンパ節が腫れたり、発熱や頭痛を起こす事があります。

4.貧血
子犬や子猫の場合、大量寄生によって貧血が起こる事があります。

ダニの生活環境

1. バベシア症
バベシアという原虫が犬の赤血球という血液の赤い成分に寄生し破壊する事で起こります。貧血、発熱、食欲不振、黄疸などがみられ、死に至る事もある恐ろしい病気です。一度感染すると、完全に体からバベシア原虫を追い出す事はできません。
   
2. ヘモバルトネラ症(マイコプラズマ症)
猫の赤血球表面にマイコプラズマという原虫が寄生し、貧血、発熱、元気消失などの症状を引き起こします。
正確な感染経路は解っていませんが、ノミやダニが媒介している可能性があります。
 
3. ライム病
マダニからペットや人にも感染します。犬では、主に神経症状、発熱、食欲不振などの症状を引き起こします。

当院で扱っているノミ、ダニ駆除薬

動物病院で処方しているノミ、ダニの予防薬は市販のものに比べ、駆除率が高く、安全性も高いので安心してお使い頂けます。犬や猫といった動物種、あるいはその子の症状によってお勧めするタイプが変わってくる事がありますので、詳しくは病院スタッフにお尋ねください。